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最新動向
2025.03.05

アメリカの巨大な越境EC市場に参入するには

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市場調査と戦略策定

アメリカ越境EC市場への参入には、いくつかの重要なステップがあります。この記事では、スムーズに参入するための流れを詳しく解説します。
まず、アメリカ市場の競争環境やトレンドを調査し、ターゲット顧客を特定します。自社の製品がアメリカ市場にどのようにフィットするかを分析し、競争力のある強みや差別化ポイントを明確にしましょう。特に、以下の要素を考慮することが重要です。

市場のニーズ分析:どのカテゴリの商品が人気か、消費者の購買行動を把握する。
競合分析:競合企業の戦略や価格設定、マーケティング手法を調査。
ターゲット顧客の明確化:年齢層、性別、購買パターンなどを細かく分析。

販売チャネルの選定

販売チャネルの選択肢として、以下の方法があります。

(1) マーケットプレイスを活用する

・Amazon.com(FBAを利用すると物流も簡単)
・eBay(競争が少なく独自性のある商品向け)
・Walmart Marketplace(審査が厳しいが信頼性が高い)
・Etsy(ハンドメイド・ヴィンテージ商品向け)

AmazonやeBay、Walmart Marketplaceなどの大手プラットフォームを利用すると、物流やカスタマーサポートの負担を減らすことができます。特にAmazonのFBA(Fulfillment by Amazon)を活用すれば、倉庫管理や配送、カスタマーサポートなどをAmazonに任せることができます。2024年には、さらに多くの企業がこれらのプラットフォームへの登録を進めると予測されていました。海外マーケットプレイスを活用することで、日本の企業が国内のEC市場を超えて世界展開することが比較的簡単に可能となります。

(2) 自社ECサイトを構築する

・Shopify(手軽に開始可能、決済や物流サービスと連携しやすい)
・WooCommerce(WordPressと組み合わせて利用)
・Magento(大規模なECサイト向け)

ShopifyやWooCommerceを使って自社のオンラインショップを立ち上げ、直接販売する方法です。電子商取引(EC)の発展により、企業は独自のブランドを築きながら海外市場にもアプローチできます。カスタマイズやブランドイメージにこだわることができますが、集客が難しくなる可能性もあるので、SEO対策やSNS活用が重要になります。

決済方法の設定

アメリカでは、PayPalやStripe、Amazon Payなどの決済方法が一般的です。これらを導入することで、スムーズに取引を行うことができます。ドル建てでの決済に対応できるようにし、為替リスクも考慮しましょう。
・PayPalやStripe、Amazon Payなど、アメリカで広く使われている決済手段を取り入れます。
・為替リスクに対応するため、ドル建てでの決済ができるように設定します。

 

物流と配送の手配

物流の手配は非常に重要です。以下の選択肢があります。

(1) フルフィルメントサービスの利用

Amazon FBAやShipBob、ShipStationなどのフルフィルメントサービスを使うことで、在庫管理から発送、カスタマーサポートまで一手に任せることができます。

(2) 自社配送を行う場合

DHLやFedEx、UPSなどの国際物流業者を利用して自社で配送を行う方法です。これにはコストや手間がかかるため、慎重に検討しましょう。
特に日本の企業が輸出の際に考慮すべき点は、配送コストや関税の最適化です。

税務・法規制対応

税務や法規制に関しては、アメリカの輸入規制や関税、税金についてしっかりと確認することが必要です。例えば、FDAやCPSCなど、業界ごとの規制を確認し、適切に対応することが求められます。また、徴収に関しても、関税や税金の支払いが発生するため、HSコードや関税計算の方法を理解しておく必要があります。売上が一定規模に達した場合には、現地法人の設立を検討することも選択肢として考えるべきです。

米国輸入規制の確認(FDA、CPSC、FCCなど業種ごとの規制を確認)
関税と税金の対応(HSコード確認、関税の計算)
現地法人の設立を検討(売上規模に応じて法人設立や税務対応を考慮)

日本国内の法律との違いを理解し、適切な対応を行うことが重要なポイントです。

マーケティングと集客

マーケティングと集客方法についてです。アメリカ市場では、SNS活用(InstagramやTikTok、Facebook広告など)やインフルエンサーとの提携が効果的です。Google検索での表示を狙うことも集客の鍵となり、SEO対策となります。さらに、リターゲティング広告を活用することで、サイトに訪問したユーザーに再度アプローチすることができます。

SNS活用
InstagramやTikTok、Facebook広告を使って、ターゲット層にリーチする方法です。特にインフルエンサーとの提携が効果的です。

SEO対策
Googleでの検索結果に自社が表示されるよう、SEO対策を行います。

リターゲティング広告
Google AdsやMeta(Facebook)広告を利用して、訪問者を再度サイトに引き込む施策です。
2024年の最新トレンドとして、動画コンテンツの活用が特に重要になっています。

カスタマーサポート

アメリカの消費者に対応するため、英語でのカスタマーサポート体制を整えることが必要です。以下の方法が有効です。

チャットボットや翻訳ツール
顧客の問い合わせに迅速に対応するためのツールです。

返品・返金ポリシー
アメリカの消費者保護法に準拠したポリシーを設けることが大切です。

日本企業が海外市場で成功するためには、適切なカスタマーサポートも重要な要素となります。

 

継続的な改善とスケールアップ

最後に、参入後はデータ分析を基にPDCAサイクルを回して継続的に改善していくことが必要です。良いレビューを集めて顧客のフィードバックを活用し、製品や販売戦略を見直し、改善を行っていきましょう。これにより、長期的な成功を収めることができます。
特に2024年は、国内外のEC市場がさらに成長すると予測されており、迅速な対応が求められました。このように、アメリカ越境EC市場への参入にはいくつかのステップがあり、一覧として整理した手順を参考にしながら進めることが重要です。

 

まとめ

アメリカの越境EC市場に参入するには、いくつかの重要なステップがあります。まず、市場調査を行い、競争環境やターゲット顧客を分析し、自社の製品の強みを明確にします。

次に、販売チャネルの選定として、AmazonやeBayなどのマーケットプレイスを利用するか、Shopifyなどで自社ECサイトを構築するかを決めます。特に自社サイトでは、SEO対策が重要です。
決済方法は、PayPalやStripeなどアメリカで一般的な決済手段を導入し、物流と配送では、Amazon FBAなどのフルフィルメントサービスを活用するか、自社配送を検討します。

また、税務や法規制の対応も必要で、関税や徴収のルールを理解し、売上規模によっては現地法人の設立も視野に入れましょう。
マーケティングでは、SNS広告やインフルエンサー施策を活用し、SEO対策を強化することで集客を図ります。さらに、カスタマーサポートの体制を整え、返品・返金ポリシーを明確にすることが信頼につながります。

このように、アメリカ越境EC市場への参入には多くの情報と専門知識が必要です。税務や法規制、物流の最適化、SEO対策などをスムーズに進めるためには、専門家に相談することをおすすめします。適切なサポートを受けることで、事業の成功確率を高めることができるでしょう。

また、無料のリソースを活用しつつ、専門家と連携することで、成功の可能性を高めることができます。適切なサポートを受けながら、ビジネスの成長を目指しましょう。

WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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