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越境ECで海外進出・海外展開を目指す企業をサポートする 越境ECメディア

医療・ヘルスケア・美容
2026.05.26

弁護士解説|越境ECにおけるパーソナライズ化の進展:アメリカヘルスケア業界のカスタマイズサプリメント事情

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はじめに

アメリカ保健福祉省の全国健康栄養調査(National Health & Nutrition Examination Survey: NHANES) によると、アメリカ人の31%がビタミン・ミネラルの欠乏や貧血のリスクに直面しています。この問題に対処するため、サプリメントの使用がアメリカ人の日常に組み込まれており、2018年には成人の75%がサプリメントを利用しているとのことです。このデータは、2009年の65%からの大幅な増加を示しています。

この背景から、消費者はただ単にサプリメントを摂取するだけでなく、大きな市場から自身のニーズに合ったサプリメントを選び取るようになりました。特に、パーソナライズされたビタミン・ミネラルのサプリメントサービスの利用が増えています。このサービスでは、個々のライフスタイルや健康問題、さらには遺伝子検査の結果に基づいて、カスタマイズされたサプリメントを提供しています。

越境ECでは、このようなカスタマイズサービスが注目されており、アメリカだけでなく世界中の消費者にも拡大しています。利用者がオンラインで簡単にパーソナライズされたサプリメントを注文できるため、企業にとっては新しい市場機会が生まれ、消費者にとっては自分に合ったサプリメントを手に入れることが可能になっています。この流れは、ヘルスケア分野における越境ECの可能性を広げ、新しい消費者ニーズに応える機会を提供しています。

注目されるビタミン・ミネラルのサブスクリプションサービス企業

近年、越境ECを含む多くの業界で「サブスクリプション」サービスモデルが注目されています。サブスクリプションは、一定期間にわたって商品やサービスを継続的に提供する課金モデルで、特に音楽や動画配信業界で広く普及しています。

この流れは、サプリメント業界にも波及しています。従来のパッケージ売り切り型から、消費者に毎月ビタミン・ミネラルのサプリメントを届けるサブスクリプション型へとシフトしています。特に越境ECの分野では、このサブスクリプションサービスに国際的なアプローチを取り入れ、世界各国の消費者に合わせたカスタマイズされたサプリメントを提供することが可能になりました。

注目の動きとしては、利用者の事前アンケートに基づいて、個々の生活習慣や健康改善目標に応じたカスタマイズされたサプリメントを提供する「サブスクリプション×パーソナライズ」のサービスが登場しています。このサービスは、国境を超えて各国の消費者に合わせたサプリメントを届けることで、より広範な市場をターゲットにすることができます。

ここではアメリカでカスタマイズされたビタミン・ミネラルのサブスクリプションサービスを展開している企業を紹介します。これらの企業は、パーソナライズ化されたサプリメントの提供により、利用者一人ひとりに合った健康サポートを実現しており、越境ECにおける新しい健康・ウェルネスの提供モデルとして注目されています。

Hum Nutrition(https://www.humnutrition.com/)

Hum Nutritionはもともとは皮膚の吹き出物やシミなど肌トラブル解決を目的としたサプリメントに特化していました。現在では、髪と爪、消化、免疫、エネルギー、骨と関節、睡眠、ストレス、代謝といった幅広いエリアをカバーしたサプリメントを提供しています。

まずは、3分間程度のアンケートに応えると、個人向け健康プロファイルの閲覧と登録栄養士との無料相談ができるようになります。 各自の健康プロファイルでは、栄養素、ビタミン、ミネラルの最も効果的な組み合わせを教えてくれ、登録栄養士からは更に詳しいアドバイスを得ることができます。Hum Nutritionの定期購入は、1か月、3か月、6か月、12か月のプランがあり、長期購読になるほどお得になっています。サプリメントは30日ごとに届きます。

Care / of(https://takecareof.com/)

Care / ofは、パーソナライズされたビタミン・ミネラルの定期購入サービスに加え、健康促進のためのアプリなど、総合的なサービスを展開しています。また、ビタミン・ミネラルのサプリメントだけではなく、栄養補助食品や、クイックスティックと呼ばれる粉末状のビタミンについてもカスタマイズ可能なことが特徴です。

Care / ofでは、5分ほどの簡単なアンケートをまず行います。アンケートに回答すると、現在の活動レベルと食事、目標、ライフスタイル、価値観に基づいた個人向けの栄養アドバイスレポートを手に入れることができます。

Care / ofの定期購入コースは、一日分のカスタマイズされたビタミンパックの形で提供され、そこには健康促進のためのちょっとしたヒントが提示されています。

定期購入はいつでも変更または解約でき、20ドル以上の注文で送料が無料になります。

Ritual(https://ritual.com/)

Ritualは女性の健康とビタミンに焦点を当てたサービスを展開しています。

Rituralは1つの錠剤にビタミン・ミネラルを総合的に配合したマルチビタミンを提供しており、「女性に必須のビタミン」、「妊娠中に必須のビタミン」、「50歳以上の女性に必須のビタミン」の3種類から選択することができます。これらのビタミンはすべてグルテンフリーでビーガンです。

Rituralでは一般的なマルチビタミンに通常配合されているビタミン(骨の健康のためのカルシウムなど)の多くをカットする代わりに、女性にとって重要で不足しがちな必須ビタミン(たとえば、ホウ素、葉酸、鉄、マグネシウム、ビオチンなど)のみを含む女性用マルチビタミンを作成しています。

Essential for Womenは月額30ドルで、Essential PrenatalとEssential for Women 50+は35ドルです。サブスクリプションは30日ごとに届き、送料は無料です。

Persona Nutrition(https://www.personanutrition.com/)

Persona Nutrition(前身Vitamin Packs)は、2つのコースを用意しています。

1つ目は、他社でも行っているような事前アンケートに基づいたカスタムサプリメントです。2つ目は、自分自身で摂取したいビタミン・ミネラル選び、自分専用のサプリメントパックを作成します。

Persona Nutritionでは、AM、PM、またはNightというラベルの付いた1回分ごとのパッケージとなっています。ビタミンが体内でどのように処理・吸収されるかという根拠に基づき、一日のうちどのタイミングでビタミンを摂取すべきかをパッケージに示している点がPersona Nutritionの特徴です。たとえば、水溶性ビタミンであれば、空腹時の方が吸収効率が良いので起床後すぐに摂取するようにと示しています。

Personaはほぼ100種類の製品を提供しており、費用は定期購入する内容によって異なりますが、約10ドルから約60ドルの価格帯(送料無料)です。

Vitafive(https://vitafive.com/)

Vitafiveは錠剤ではなく、グミタイプのビタミン・ミネラルのサプリメントに特化したサービスを展開しています。

Vitafiveでは事前のアンケートを設けておらず、顧客自身でどのビタミンを摂取するかを選択する必要があります。選択したビタミンはデイリーパックまたはマンスリーポーチの形式で30日分届けられます。デイリーパックは選択したビタミンが、1日分ごとに個包装されているもので、マンスリーポーチは1種類のビタミンが1ヶ月分入ったパッケージとなっています。Vitafiveでは定期購入の自由度が高いのが特徴で、解約することなく定期購入を一時停止したり、アイテムを管理したり、アカウントにメンバーを追加したり、配送スケジュールを変更したりできます。また、大手マーケットプレイスAmazonにも製品展開をしています。

Rootine (https://rootinevitamins.com/)

Rootineでは様々なデータを考慮したサービスで区別化を図っています。具体的には、ライフスタイルについての質問に加え、年齢や体重/身長のデータを元に、必要とされるビタミン、ミネラル、バランスの取れた食事を計算します。また、Rootineの初回購入時に最初の購入でDNAテストを注文したり、DNA検査キット「Ancestry」や「23andMe」などの既存データを提供することも可能です。さらに、血液検査や尿検査のデータをアップロードすることもできます。
Rootineでは、これらの情報(年齢、体重、ライフスタイル、DNA情報、血液または尿検査の結果)を総合的に考慮してカスタムビタミンパックを作成します。

Rootineでは、顧客に推奨されるビタミン全てについて詳細なプロファイルを提供し、ビタミンの効果やなぜそのビタミンが必要であるのかを説明します。

Rootineは定期購入サービスのみ展開しており、パックの内容に関係なく、月額60ドルです。1回につき3か月分のビタミンが90日ごとに発送されますが、支払いは毎月発生します。送料は無料です。

越境ECにおけるビタミン・ミネラルサプリメント市場の成長と日本企業の機会

アメリカのオンライン販売におけるビタミン・ミネラルのサプリメント市場は、2015年から2020年の間に年平均17.4%の成長を続け、2020年には183億ドルの市場規模に達すると見込まれています。特に若者の間で「カッコイイ」「オシャレ」といったイメージを前面に押し出したマーケティング戦略を行う新興企業が増え、サプリメント市場はますます活気づいています。

この市場の成長を背景に、ビタミン・ミネラルのサプリメント販売を行う企業が急増しており、競争は激化しています。模倣企業やサービスの増加に伴い、企業間の差別化が必要となる局面にあります。例えば、老舗企業Persona Nutritionは、競争力を高めるために巨大グローバル企業Nestléとの提携を選択しています。

カスタマイズされたサプリメント市場では、DNA情報との連携や科学的根拠に基づいた処方、SNS映えするパッケージなど、消費者を引きつけるための工夫が必要になっています。日本企業もこのトレンドに注目し、例えば生理周期や皮膚の常在菌、医師監修のヘルスチェック付きサプリメントなど、独自の視点でサービスを提供しています。
越境ECを活用することで、日本企業は市場規模の大きなアメリカでの成長を目指せます。現地の代理店や販売店との提携、オンラインでのマーケティング戦略など、多様な方法でアメリカ市場への進出が可能です。サービスの差別化と効果的なマーケティング戦略が日本企業の海外進出の鍵となるでしょう。

【弁護士が解説】越境ECでサプリメントを取り扱う際の法規制とコンプライアンス

サプリメントの越境ECビジネスをグローバルに展開するにあたっては、各国の厳格な法規制を正しく理解し、コンプライアンス(法令遵守)を徹底することが事業存続の絶対条件となります。以下に、実務上特に注意すべき3つの重要ポイントを解説します。

アメリカのFDA(食品医薬品局)規制と日本の「薬機法」の大きな壁

サプリメントの定義や規制基準は、国によって大きく異なります。サプリメントを海外に販売する越境ECビジネスでは、日本の「薬機法(医薬品医療機器等法)」と、進出先(例えば米国)の「FDA(食品医薬品局)規制」という2つの全く異なる法体系を同時にクリアしなければなりません。日本ではサプリメントは「食品」に分類されますが、効能効果の表現や成分に対する法的な監視は極めて厳格であり、医薬品と誤認されるような製品は「無承認無許可医薬品」として厳しい取り締まりの対象になります。

一方、米国では「DSHEA(膳食サプリメント健康教育法)」に基づき、サプリメントは一般の食品とも医薬品とも異なる独自のカテゴリー(Dietary Supplement)として法文化されており、一定のルールのもとで機能表示(構造・機能表示)をすることが認められています。このように国によって法的な位置づけや許容される範囲に「大きな壁」が存在するため、進出先国の規制を個別に、かつ深く把握してビジネスモデルを構築することが必須条件となります。

  • 米国の規制: アメリカでは、サプリメントは「DSHEA(膳食サプリメント健康教育法)」に基づき、食品の一分類(Dietary Supplement)として扱われ、医薬品に比べて比較的自由な流通が認められています。
  • 日本の規制: 日本では「薬機法(医薬品医療機器等法)」により、成分や効能効果の表現が厳しく制限されます。アメリカで一般的なサプリメントとして販売されている成分であっても、日本では「医薬品専用成分」に指定されているケースが多々あります(例:一部のハーブ類や高用量のメラトニンなど)。

【実務上のリスク】
日本から米国へ、あるいは米国から日本へ製品を越境輸送する際、日本の薬機法上の「無承認医薬品」とみなされる成分が含まれていると、税関での没収や、最悪の場合は違法な医薬品の輸入・販売として刑事罰の対象となるリスクがあります。進出先国の成分データベースとの照合を事前に必ず行う必要があります。

成分の違いによる輸入リスク:米国ではサプリでも日本では「医薬品」になるケース

日本と海外では、特定の成分が「食品(サプリメント)」として流通可能か、それとも「医薬品」に該当するかという判断基準(食薬区分)が大きく異なります。

例えば、米国をはじめとする海外市場で一般的に流通している抗酸化成分、一部のハーブ(エキナセアなど)、高用量のビタミン・アミノ酸、または睡眠サポート用のホルモン成分(メラトニンなど)は、日本の基準では「専ら医薬品として使用される成分」に指定されているケースが多々あります。

【実務上のリスク】
これらを知らずに日本の一般消費者が海外から直接輸入(個人輸入)しようとしたり、逆に事業者が日本国内に持ち込んで販売しようとしたりした場合、税関で没収・廃棄処分になるリスクがあります。場合によっては、関税法違反や薬機法違反として刑事罰や行政処分を科される可能性もあるため、処方・配合されている全ての原材料について、進出先国の最新の成分データベースと照合する法的な事前精査(リーガルチェック)が欠かせません。

広告表現の注意点:景品表示法・健康増進法違反を避けるための法的ポイント

越境ECであっても、日本語のWebサイトや日本の消費者を対象としたSNSプロモーションを行う場合、日本の「景品表示法」や「健康増進法」が全面的に適用されます 。

健康増進法では、食品について著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような虚偽・誇大な表示(例:「これを飲むだけで10キロ痩せる」「がんが治る」など)を厳しく禁止しています。また、景品表示法(優良誤認表示の禁止)の観点からは、サプリメントの効能効果を裏付ける明確で客観的な科学的根拠(エビデンス)がないにもかかわらず、さも劇的な効果があるように見せる広告表現は違法と判断されます。

【実務上の対策】
ユーザーの体験談(レビュー)や評価を掲載する場合であっても、「個人の感想であり効果を保証するものではない」と注記すれば免責されるわけではありません。パーソナライズの仕組みをアピールする際は、過度な効果効能の約束を避け、「健康維持をサポートする」「日々の栄養を補う」といった事実に即した、リーガルリスクのないクリエイティブ表現を徹底する必要があります。

パーソナライズ化に潜む法的リスク:「ヘルスケアデータ」と個人情報保護

ユーザー一人ひとりに最適化したサプリメントを提供するビジネスモデルは、その仕組み上、顧客から「年齢」「体重」「既往歴」「生活習慣」「DNAデータ」「血液・尿検査の結果」といった極めてプライベートな「ヘルスケアデータ」を収集・蓄積することが前提となります。

これらは日本の個人情報保護法において「要配慮個人情報」に該当し、本人の明確な同意なしに取得することや第三者へ提供することは法律で固く禁じられています。また、米国のCCPA/CPRA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)や欧州のGDPR(一般データ保護規則)といった海外の厳格なプライバシー法でも、健康や遺伝子に関するデータは「機微データ(Sensitive Data)」として最高レベルの法的保護と厳格な管理が義務付けられており、違反した企業には巨額の制裁金が科されるリスクがあります 。顧客の信頼と法的安全性を担保するためには、データ取得時のインターフェース設計から見直す必要があります。

顧客の健康データを取得する際の同意形成とプライバシーポリシー

上記のようなヘルスケアデータを取得する際、事業者側はユーザーに対して「どのような目的でデータを使用するのか」「どこに保存されるのか」を明確に示し、完全に納得した上での「確実な同意形成(オプトイン)」を得なければなりません 。

単に「登録ボタンを押したことで規約に同意したものとみなす」といった曖昧な方法ではなく、チェックボックスを明示的に用意してユーザー自らにチェックを入れさせるなどのUI/UXデザイン上の工夫が求められます。

同時に、これら機微情報の取り扱い方針を詳細かつ網羅的に規定した「プライバシーポリシー(個人情報保護方針)」をWebサイト上にいつでも閲覧できる形で常設する必要があります 。海外の消費者を対象にする場合は、現地の言語(英語など)で法的に不足のないポリシー文面を作成し、法改正に合わせて常にアップデートしていく運用体制の構築が不可欠です。

越境ECにおけるデータ越境移転のルールと実務上の対策

サプリメントの越境ECにおいて、日本のサーバーで管理している顧客の健康データを海外の分析機関(DNA解析やサプリメントの調合工場など)に転送する場合、あるいは逆に海外サーバーから日本へデータを移す場合、それは情報の「データ越境移転」に該当します 。

個人情報保護法では、適切な個人情報保護制度を有していない外国の第三者に個人データを提供する際、原則として「あらかじめ外国への移転を認める旨の本人の同意」を得るか、あるいは「GDPRの十分性認定」や「APEC CBPRシステム」といった国際的な枠組みに対応した基準を満たす体制を整えるよう定めています。

【実務上の対策】
実務上の対策としては、プライバシーポリシー内で「データがどこの国の、どのような機関に移転される可能性があるか」をあらかじめ具体的に特定して記載し、包括的かつ有効な同意を取得しておくことが最も確実な防衛策となります。あわせて、委託先企業との間で厳格なデータ保護契約(SCC:標準契約条項など)を締結しておくことも強く推奨されます。

サブスクリプションモデル特有の消費者トラブルと「特定商取引法」への対応

サプリメントを毎月自動で配送する「サブスクリプションモデル」は、安定的・継続的な売上を確保できる一方で、消費者からの苦情や解約を巡る法的トラブルが最も発生しやすいビジネス領域でもあります。

日本国内を対象とする取引においては、「特定商取引法(特商法)」が厳格に適用されます 。近年の法改正により、サブスクリプション(定期購入)契約を締結させるオンラインの最終確認画面において、顧客が支払うことになる「総額」「各回の支払額」「契約期間(回数の縛りの有無)」「解約の方法・条件・連絡先」を一画面で明確に表示することが義務付けられました。これらを隠したり、分かりにくく表示してユーザーを誤認させた場合、契約の取り消しや行政処分(業務停止命令など)の対象となります。

【実務上の対策】
「いつでも解約可能」と謳いながら実際は電話が繋がらない、解約ページが見つからないといった仕組みは、米国のFTC(連邦取引委員会)が取り締まる「ネガティブ・オプション(自動更新ルール)」の規制にも抵触します。購入画面と同様に、解約や手続きの休止もオンライン上で簡潔に完結できるクリーンな導線設計を行うことが、トラブルを未然に防ぐ最大の鍵です。

越境ECビジネスを安全に守る「利用規約」整備の重要性

国境を越えた取引では、配送の遅延、商品の破損、紛失、さらには「サプリメントを摂取したことで体調を崩した」といった予期せぬ国際的な紛争や賠償請求に発展するリスクが常に付きまといます。これらすべてのリスクから事業者を安全に守る防壁となるのが、Webサイトに掲載する「利用規約」の整備です 。

利用規約には、万が一のトラブルが発生した際に「どこの国の法律を基準に判断するか(準拠法)」や、「どこの国の裁判所で争うか(管轄裁判所)」をあらかじめ明確に定めておく必要があります(例:準拠法は日本法、管轄は東京地方裁判所など)。

また、配送事故における免責条項や、パーソナライズ結果の正確性・有用性に対する非保証条項、損害賠償額の上限設定(例:過去に購入された商品代金の総額を上限とするなど)を合理的な範囲で盛り込んでおくことで、企業の法的・財務的な致命傷を回避することができます。サービスの独自性に甘んじることなく、法的防衛線を1行ずつ緻密に敷いておくことこそが、越境ECビジネスを持続可能にするための基盤となります。

弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所では、多くの企業様へのご支援を通じて、越境EC・海外向けECについての専門的な法律の課題を解決してきた実績があります。

当事務所では、問題解決に向けてスピード感を重視する企業の皆さまにご対応させていただきたく、「メールでスピード相談」をご提供しています。
初回の相談は無料です。24時間、全国対応で受付しています。
問題解決の第一歩としてお問い合わせ下さい。

※本稿の記載内容は、執筆時点の法令・情報等に基づいています。
本稿は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。正確な情報を掲載するよう努めておりますが、内容について保証するものではありません。

WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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代表弁護士 小野智博(東京弁護士会所属)
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