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越境EC参入事例
2024.07.23

越境ECを成功させるためのマーケティング戦略を徹底解説!プロモーション手法大公開

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1. 越境ECビジネスを成功させるために取り組むべき戦略

1-1. 対象国等の選定

越境ECビジネスにおいて対象国の選定は成功の鍵を握る最初のステップです。市場調査を行い、製品やサービスが受け入れられる可能性が高い国を特定する必要があります。この過程では、消費者の購買力、文化的な背景、競合の状況、法的規制など多岐にわたる要素を考慮することが重要です。また、物流の便の良さや関税徴収額の低さも、選定の際に重要な要因となります。最終的には、これらのデータを基に、ビジネスのリソースや長期的な展望を考慮した上で、最も有望な市場を選出します。

1-2. ターゲットの明確化

成功する越境ECでは、製品やサービスを購入する可能性が最も高い具体的な顧客層を特定することが不可欠です。ターゲット顧客の年齢層、性別、趣味・関心、購買行動パターンなどを詳細に分析します。これにより、マーケティング活動が具体的かつ効果的に行われ、顧客に直接アプローチすることが可能になります。ターゲットを明確にすることで、広告のパフォーマンスを最大化し、ROIを高めることができます。

1-3. 最適なプロモーション手法の把握

越境ECビジネスにおけるプロモーション手法の選定は、ターゲット市場における文化や消費者行動に深く依存します。効果的なプロモーション手法を把握するためには、各国のメディア利用状況、オンラインプラットフォームの人気度、広告規制などを理解する必要があります。例えば、中国市場ではWeChatやTikTokが効果的な広告プラットフォームであり、米国ではFacebookやInstagramが広範囲にわたるオーディエンスにリーチできます。これらのプラットフォームを活用して、地域に根ざしたカスタマイズされた広告キャンペーンを展開することが、ブランドの認知度向上と売上げ増加につながります。

2. 越境ECで集客を行うためのマーケティング手法

2-1. SNS活用

SNSは現代のマーケティングにおいて欠かせないツールであり、特に越境ECではその効果が顕著です。SNSを通じて、ブランドはターゲット市場の消費者と直接的にコミュニケーションを取ることができ、文化的なニュアンスにも対応することが可能です。各国における主要なSNSプラットフォームを活用することで、広範囲にわたる顧客層にリーチし、ブランド認知度を高めることができます。
具体的な戦略としては、ターゲット市場における人気インフルエンサーとのコラボレーションを行うことが有効でしょう。フォロワーはインフルエンサーへの信頼性が高く、その影響力を利用して製品を紹介することで、高いコンバージョン率を見込むことができます。また、リアルタイムでのプロモーションや、ユーザーからのフィードバックを活用したインタラクティブなキャンペーンも効果的です。さらに、SNS上での限定オファーやプロモーションを行い、新規顧客の獲得と既存顧客のリピート購入を促進します。

2-2. WEBサイト

越境ECにおいて、専用のWEBサイトはその基盤となる要素です。、情報の明確性、そして速やかな販売プロセスを提供し、効果的なWEBサイトを構築しましょう。ターゲット市場の言語に適応したマルチリンガルなサイト構築は必須であり、それによってユーザーエクスペリエンスを向上させ、顧客の購買意欲を促します。さらに、SEO(検索エンジン最適化)を積極的に行い、検索結果での上位表示を目指すとよいでしょう。これにより、自然検索からの訪問者数が増加し、より多くの潜在顧客にリーチすることができます。
また、サイト上でのレビュー機能やQ&Aセクションを設けることで、消費者の信頼を築くことができます。購入後の顧客サポートとして、多言語によるチャットサポートやFAQセクションの充実も有効でしょう。これらの機能が充実していることで、顧客の疑問や問題を迅速に解決し、顧客満足度を高めることができます。

2-3. EC事業関連のポータルサイト

EC事業関連のポータルサイトの活用は、越境EC事業者にとって非常に有効な集客手段です。これらのポータルサイトは、様々なブランドや商品が一堂に介する場であり、消費者は多様な選択肢の中から商品を比較・検討することができます。特に、特定のカテゴリーやニッチな商品を扱うポータルサイトでは、ターゲット顧客が集まりやすいため、高い効果を期待できます。
ポータルサイトへの掲載には、商品の魅力を最大限に引き出す高品質な写真や詳細な商品説明が不可欠です。また、プロモーションやセール情報を定期的に更新し、顧客の関心を引き続き引きつけることが大切です。これらのポータルサイトを利用することで、ブランドの認知度を高め、ウェブサイトへのトラフィックを増加させることが可能となります。

3. 越境ECにおけるマーケティング事例

3-1. 事例企業① トヨタ

トヨタは、TikTokを活用して若年層をターゲットにしたグローバルなマーケティング戦略を展開しています。このプラットフォームは、短いビデオを通じて直感的でエンゲージメントの高いコンテンツを提供することができるため、自動車業界においても新しい顧客層にアプローチする有効な手段となっています。トヨタは、新型車の魅力を前面に出したクリエイティブなビデオを制作し、それをTikTok上で共有しています。これにより、ブランドの魅力を若者に直接的に訴えかけることができます。
さらに、トヨタは自社製品の魅力だけではなく、グローバル企業として一定の社会的責任を果たすことにも注力しています。交通安全の啓蒙活動を取り入れたビデオや、ストーリーテリングを重視した内容をTikTokで展開し、ユーザーに対してより深いメッセージを伝えています。例えば、日常生活での安全運転の重要性を訴えるキャンペーンや、トヨタの製品が人々の生活にどのように溶け込んでいるかを描いた物語を通じて、ユーザーの感情に訴えかけるアプローチをとっています。これらの活動は、製品の特性を効果的に伝えるだけでなく、トヨタの理念を共有し、ブランドイメージの向上へとつながっています。

3-2. 事例企業② トーキョー・オタク・モード

「トーキョー・オタク・モード」は、日本のアニメやポップカルチャー商品を世界中に提供しているECプラットフォームです。彼らはFacebookを主要なマーケティングツールとして利用し、グローバルなオタクコミュニティにリーチしています。
「トーキョー・オタク・モード」のFacebookページは、2,000万以上のファン数を誇り、世界最大級のオタクコミュニティとなっています。この強力なプラットフォームは、9割以上が海外ユーザーという広大なグローバルネットワークを形成しており、インタラクティブなイベントを通じてファン同士の交流を促進しています。これにより、コミュニティ感が強化され、ブランドへの忠誠心を高めています。
このコミュニティの活動は、Facebookから自社ECサイトへの送客にも大きく寄与しており、最新のニュース記事共有や関連情報の一覧発信からネット販売にスムーズにつなげています。結果として、EC売上高は右肩上がりに伸長し続けています。

3-3. 事例企業③ 北海道お土産探検隊

「北海道お土産探検隊」は、北海道の特産品を取り扱うECサイトで、注文の約3分の1が海外から寄せられています。特にアジア圏の消費者に人気が高く、日本国内で受け取った後に自国で転売する業者からの注文もまとめると、海外市場からの売り上げは半数以上になります。
マーケティング戦略として重要なのは、多言語対応のウェブサイトです。当初は自動翻訳を使用していましたが、現在は自社で英語、簡体中国語、繁体中国語へと翻訳し、ウェブサイトの内容を精査しました。この改善により、海外からの注文が増加しています。このような努力が、国際的な顧客基盤の拡大とブランドの持続的な成長を支えています。

4. 海外進出・海外展開における影響

越境ECを成功させるためには、地域ごとの商慣習、法規制、文化的差異に適応する具体的なマーケティング戦略が必要です。たとえば、ターゲット市場の文化を理解し、それに合わせた製品カスタマイゼーションやプロモーション活動を行うことで、地元の顧客に受け入れられやすくなります。
さらに、効果的な越境ECのキーとなるのは、強固な現地パートナーシップと流通ネットワークの構築です。現地の流通業者やマーケティングエージェンシーとの協力により、製品の現地へのスムーズな発送、法規制の遵守、マーケティングの地域適応が実現します。これらの協力関係は、製品のローカライズ、ブランドの現地市場での認知度向上に不可欠であり、企業のリスクを分散させる効果もあります。
加えて、異文化間での効果的なコミュニケーションを促進するためには、多言語対応のカスタマーサポートとマーケティング資料の準備が重要です。消費者が自国の言語で情報を得られることは、信頼感と満足度を高め、製品への関心を促進します。
これらの戦略を通じて、企業はグローバルな視点を持ちながら地域に根ざしたアプローチを取ることができ、異なる市場動向に敏感に対応する能力を養いましょう。その結果、企業の経営の質は向上し、国際市場での持続可能な成長を達成するための基盤が築かれます。これにより、海外進出は単なる市場拡大を超えた戦略的な成長機会へと変わることが期待できます。

WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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