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2024.08.21

越境ECに最適な広告とは?効率的な広告運用と実施するうえでのポイントを解説

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越境ECビジネスで活用できる広告例

輸出入等の規制がない場合、世界中から製品を購入、発送、販売できる越境ECは、企業にとって重要なビジネス戦略の一つです。越境ECビジネスの成功には、効果的な広告運用が欠かせません。これまでも越境ECビジネスに関しての記事で広告に関して取り上げられてきましたが、以下では越境ECビジネスで活用できる広告の具体例を一覧として紹介します。

 

リスティング広告

リスティング広告は、検索エンジンやECサイト内で特定のキーワードに関連する広告を表示する方法です。GoogleやYahoo、バイドゥ(百度)などの検索エンジンでの広告はもちろん、Amazonや楽天などのECサイト内での広告も含まれます。これにより、ターゲット顧客にリーチし、越境ECビジネスの認知度向上や顧客の誘導に貢献します。効果的なキーワード選定や広告表示設定により、検索ニーズに適した広告を提示することが可能です。

キーワード選定はSEO対策に繋がり、検索エンジンでの可視性向上や集客増加を図れます。また、リスティング広告は即時に効果が現れやすく、短期間で成果を上げたい場合にも適しています。広告のクリック数やコンバージョン率をリアルタイムで確認できるため、効果的な広告運用が可能です。

リスティング広告を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意する必要があります。

  • キーワード選定: ターゲット顧客が検索する可能性のあるキーワードを選定します。これにより、広告が表示される機会が増え、クリック率が向上します。
  • 広告文の最適化: 広告文は、ターゲット顧客にとって魅力的で、クリックを促す内容にします。限定セールや送料無料などの特典を強調することも効果的です。
  • ランディングページの改善: 広告をクリックした後のランディングページも重要です。ユーザーがスムーズに購入手続きに進めるよう、使いやすいデザインとナビゲーションを提供します。

SNS広告

SNS広告は、ソーシャルメディアプラットフォーム上でターゲット顧客に向けて広告を配信する方法です。Facebook、Instagram、Twitter、LinkedIn、WeChat、Weiboなど、各国や地域で主流となるプラットフォームを活用します。ターゲットの年齢、性別、興味・関心、行動データに基づいて細かくセグメント化し、最適な広告を届けることが可能です。

例えば、中国市場をターゲットにする場合、その使用が規制されているFacebookやInstagramの代わりにWeChatやWeiboを活用することが効果的です。また、ビジュアルコンテンツを重視するInstagramやPinterestでは、視覚的に魅力的な広告が一定の効果を発揮します。地域ごとの文化や習慣に合った広告コンテンツを提供することで、現地の消費者に訴求しやすくなります。

SNS広告を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意する必要があります。

  • ターゲティング設定: SNS広告の強みは、細かいターゲティングが可能な点です。年齢、性別、地域、興味・関心、行動データに基づいて広告を配信します。
  • ビジュアルコンテンツの重視: SNS広告では、視覚的に魅力的なコンテンツが重要です。高品質な画像や動画を使用し、ユーザーの関心を引きます。
  • エンゲージメントの促進: ユーザーとのエンゲージメントを高めるため、コメントやシェアを促すコンテンツを作成します。キャンペーンやコンテストを実施することも効果的です。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、異なる国や地域の影響力のあるインフルエンサーを活用して商品やサービスを宣伝する方法です。現地のインフルエンサーと提携することで、現地の消費者に対して信頼性や説得力のある広告効果を期待できます。インフルエンサーは、フォロワーとの強い信頼関係を築いているため、彼らの推奨する商品やサービスに対する信頼度が高いです。

インフルエンサー選定の際には、ターゲット地域の文化や言語に対応したインフルエンサーを選ぶことが重要です。また、インフルエンサーのフォロワー層と自社のターゲット顧客が一致しているかを確認することも重要です。インフルエンサーマーケティングは、特に若年層やミレニアル世代をターゲットにした商品・サービスに効果的です。

インフルエンサーマーケティングを効果的に活用するためには、以下のポイントに注意する必要があります。

  • インフルエンサー選定: 自社のターゲット顧客に影響力のあるインフルエンサーを選定します。フォロワーの質と量を評価し、ブランドの価値観と一致するインフルエンサーを選びます。
  • コラボレーション内容の決定: インフルエンサーとのコラボレーション内容を明確にし、商品レビュー、アンボクシング動画、使用方法の紹介など、具体的なコンテンツを計画します。
  • パフォーマンスのモニタリング: キャンペーンの成果を評価するため、エンゲージメント率やコンバージョン率をモニタリングし、必要に応じて戦略を調整します。

越境EC事業における広告で成功された日本企業の事例

次に越境ECに最適な広告運用をし、成功している以下の日本企業の事例をみてみましょう:

Uniqlo
ファストファッションブランドのユニクロは、越境EC事業において広告運用を成功させています。各国や地域のソーシャルメディアプラットフォームを活用して、ターゲット層に向けたSNS広告を実施しています。地域ごとに適切なコンテンツや広告メッセージを提供し、消費者の関心を引く広告展開を行っています。

例えば、中国市場向けにはWeChatやWeiboを活用し、地元の影響力あるインフルエンサーと提携して商品を紹介しています。また、リスティング広告においても効果的なキーワード選定や広告表示設定により、ターゲット層にリーチする広告展開を行っています。ユニクロは、地域ごとの消費者ニーズに合わせた広告戦略を展開することで、グローバル市場でのブランド認知度を高めています。

Shiseido
日本の化粧品ブランドである資生堂も、越境EC事業において広告戦略をうまく展開しています。リスティング広告を活用し、特定のキーワードに関連する広告を表示することで、ターゲット顧客にリーチしています。また、各国や地域のソーシャルメディアプラットフォームを活用して、ターゲット層に向けたSNS広告を展開しています。

資生堂は、地域ごとに適したコンテンツや広告メッセージを提供するために、現地のインフルエンサーと提携しています。これにより、現地の消費者に対して信頼性のある広告効果を期待しています。例えば、中国市場向けにはWeChatやWeiboを活用し、現地の人気インフルエンサーを起用しています。資生堂の広告戦略は、グローバル市場での自社製品の競争力を高めています。

Rakuten
日本の大手EC企業である楽天も、越境EC事業において広告で成功を収めています。楽天グループは、リスティング広告やSNS広告だけでなく、アフィリエイトマーケティングやコンテンツマーケティングなど、幅広い広告手法を活用しています。アフィリエイトマーケティングとしては、他のウェブサイトやブログなどと提携し、商品やサービスを紹介する広告展開を行っています。

これにより、越境ECビジネスの認知度向上や販売促進を図っています。また、コンテンツマーケティングを通じて、魅力的なコンテンツを提供し、消費者の関心を引く広告展開を行っています。楽天は、地域ごとの消費者行動や嗜好を理解し、適切な広告プラットフォームやメッセージを選定することで、海外市場での事業拡大を実現しています。

越境EC事業における広告実施のポイント

越境EC事業において広告を成功させるためには、以下のポイントが重要です。

市場・ニーズ調査
各国や地域の市場調査を行い、消費者のニーズや嗜好を把握することが重要です。現地の文化やトレンドを理解し、それに基づいた広告戦略を展開することで、効果的な広告展開が可能となります。また、広告の成果を評価するために、データ分析を行い、広告の効果や収益性を把握します。
データに基づいた改善策を導入することで、効率的な広告運用が実現します。例えば、Google AnalyticsやFacebook Insightsなどのツールを活用して、広告のパフォーマンスをモニタリングし、必要に応じて戦略を修正します。

ターゲットとなる国別の広告内容の調査
ターゲットとなる各国や地域に合わせた広告内容を調査し、適切なメッセージや表現方法を検討する必要があります。特に、言語の違いや文化的なニュアンス、消費者心理を考慮し、ターゲットとなる国や地域の言語に対応した広告を展開することで、ターゲット層に効果的にアピールする広告コンテンツを作成することが重要です。
例えば、中国市場向けには中国語での広告を展開し、現地の消費者に合った表現やデザインを使用します。また、文化的な要素を取り入れることで、広告の受容性を高めることができます。

実施する広告媒体の検討・選定
越境EC事業においては、現地の消費者にリーチするために適切な広告媒体を選定することが必要です。リスティング広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティングなど、各国や地域で効果的な広告手法を選択し、戦略的に展開することが成功の鍵となります。
また、広告コンテンツや配信方法を定期的にテストし、最適化を行うことで、効果的な広告運用が可能となります。例えば、A/Bテストを実施して、どの広告バリエーションが最も効果的であるかを確認し、その結果に基づいて広告戦略を調整します。

越境EC事業における広告戦略のまとめ

越境EC事業において効果的な広告運用を行うためには、地域ごとの市場・ニーズを把握し、適切な広告媒体を選定し、ターゲットに合わせたコンテンツを提供することが重要です。リスティング広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティングを組み合わせて活用し、データに基づいた戦略的な広告運用を行うことで、グローバル市場での成功を目指します。

また、越境ECにおける広告予算の設定は、ビジネスの目標や市場状況に応じて柔軟に行うことが重要です。売上比率や目標達成に基づいた予算設定、広告チャネルごとの予算配分、テストと最適化を通じて、効果的な広告運用を実現します。地域ごとの文化や消費行動を考慮し、各国に適した広告戦略を展開することも必要です。広告予算の他に各国の税金や関税が発生することもあり、これらの費用は消費者から徴収する必要があります。各国の税制や関税率を事前に調査し、正確な価格設定を行うことが、消費者の信頼を得るために不可欠です。

各国や地域の消費者行動や嗜好を理解し、現地の文化や習慣に合わせた広告コンテンツを提供することで、効果的な広告展開が可能となります。さらに、広告のパフォーマンスを定期的にモニタリングし、最適化を図ることで、継続的なビジネス成長を実現します。

WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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