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越境ECで海外進出・海外展開を目指す企業をサポートする 越境ECメディア

マーケティング
2026.03.06

越境ECの市場規模を分析!参入の際の注意点や成功の戦略について法的観点から弁護士が解説

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1. 越境ECとは何か

越境ECとは、インターネットを通じて国境を越えて商品やサービスを販売する電子商取引のことを指します。例えば、日本の化粧品メーカーが自社のECサイトを通じて韓国やアメリカの消費者に直接商品を販売したり、日本企業がAmazonやeBayなどの海外向けECモールに出店して海外ユーザーから注文を受けたりするケースが代表的です。特に2020年以降は、世界的なオンライン消費の拡大を背景に、越境ECの利用がさらに広がりました。

近年では、日本にいながら海外の顧客に販売できる環境が整っており、従来のように現地に店舗を構えたり代理店を設置したりすることなく海外市場に参入できる手段として注目されています。特に、日本製のコスメ、健康食品、アニメ関連商品などは海外での人気が高く、越境ECを活用することで国内市場に依存しない新たな収益源を確保することが可能になります。このように越境ECは、企業の海外展開を実現する有効なビジネスモデルの一つとして急速に拡大しています。

1-1. 国内ECとの違い

越境ECと国内ECの最も大きな違いは、販売対象が国内消費者か海外消費者かという点です。国内ECでは、日本国内の顧客を対象とするため、日本語対応、日本円決済、日本国内配送のみで完結します。一方、越境ECでは海外の顧客を対象とするため、多言語対応や外貨決済、国際配送への対応が必要になります。

例えば、日本国内向けECであれば配送は通常1~2日程度で完了しますが、越境ECでは配送先の国によっては1週間以上かかる場合もあり、配送状況の問い合わせ対応も複雑になります。また、国内ECでは日本の法律のみを遵守すればよいのに対し、越境ECでは販売先の国の輸入規制や消費者保護法などにも注意する必要があります。たとえば、欧州では個人情報保護に関する規制(GDPR)が厳しく、顧客データの管理方法にも配慮が求められます。

さらに、マーケティング手法にも違いがあります。国内では日本の広告媒体を利用しますが、海外では現地のSNSや検索エンジンを活用する必要があります。このように越境ECは、単に販売先が海外になるだけでなく、運営体制や法的対応、顧客対応など多くの面で国内ECとは異なる特徴を持っています。

1-2. 越境ECのメリット

越境ECの最大のメリットは、販売対象を世界中に広げることができる点です。その理由として、国内市場は人口減少の影響で今後大きな成長が見込みにくいとされていますが、海外市場には人口が増加し消費が拡大している地域も多く存在することが挙げられます。例えば、日本のスキンケア製品は中国や韓国、東南アジアで高い人気があり、越境ECを通じて海外売上を大きく伸ばしている企業も少なくありません。

また、越境ECは現地に店舗を設ける場合と比較して、初期投資を抑えて海外展開ができる点も重要なメリットです。海外に実店舗を出店する場合には、賃料、人件費、法人設立費用など多額のコストが発生しますが、越境ECであれば既存のECサイトを活用することで比較的低コストで販売を開始できます。実際に、日本の中小企業がAmazonの海外マーケットプレイスを利用して販売を始め、海外売上が事業の大きな柱となった例もあります。

さらに、日本製品は品質が高いという評価を受けているため、海外市場では国内よりも高価格で販売できるケースもあります。例えば、日本国内では3,000円以下で販売されている商品が、海外では送料やブランド価値を含めて5,000円以上で販売されることもあります。このように越境ECは、売上拡大だけでなく利益率向上の可能性も秘めたビジネスモデルといえます。

1-3. 越境ECのデメリット

越境ECには多くのメリットがある一方で、特有のリスクや課題も存在します。その一つが、言語や文化の違いによる顧客対応の難しさです。例えば、商品の説明が不十分であった場合、海外顧客との認識の違いから返品やクレームにつながることがあります。また、英語など外国語での問い合わせに迅速に対応できなければ、顧客満足度の低下やレビュー評価の悪化につながる可能性があります。こうしたトラブルを防ぐためには、商品仕様や返品条件などを一覧で分かりやすく整理し、事前に顧客へ正確な情報を伝えることが重要です。さらに、顧客がSNSなどで体験をシェアすることも多いため、一つの対応の遅れがブランド評価全体に影響を及ぼす可能性があります。

物流面の負担も無視できません。国際配送は国内配送よりも送料が高く、配送日数も長くなります。さらに、配送途中での紛失や破損といったトラブルが発生する可能性もあり、補償や再配送の対応が必要になることもあります。例えば、高額な商品を販売した場合、配送事故によって利益が大きく損なわれるケースも考えられます。

加えて、法規制への対応も重要な課題です。国によっては特定の商品が輸入禁止となっていたり、表示義務が定められていたりする場合があります。これらを十分に確認せずに販売を行うと、通関で商品が差し止められる可能性があります。また、外貨決済の場合には為替変動の影響を受けるため、想定していた利益を確保できないこともあります。このように越境ECでは、国内ECにはない多様なリスクを理解したうえで慎重に運営を進めることが重要です。

2. 世界の越境EC市場規模の現状と予測

越境EC市場は、世界的に急速な拡大を続けている成長分野の一つです。インターネットの普及と物流インフラの発展により、消費者が海外の商品をオンラインで購入することが一般的になり、市場規模は年々拡大しています。経済産業省の推計によれば、日本・米国・中国の3か国間だけでも数兆円規模の取引が行われており、越境ECはすでにグローバルな商取引の重要な手段となっています。
特に中国市場の規模は突出しており、日本や米国の商品に対する高い需要を背景に巨大な市場を形成しています。また、米国市場も海外商品の購入に積極的であり、日本製品の販売先として重要な位置を占めています。このように越境ECは世界各国で拡大を続けており、今後も企業の海外展開を支える主要な販売チャネルとして成長が続くと予測されています。

2-1. 越境EC市場の成長要因

越境EC市場が拡大している主な要因として、まずインターネットとスマートフォンの普及が挙げられます。スマートフォンの普及により、消費者は自国にいながら簡単に海外のECサイトへアクセスし、商品を比較・購入できるようになりました。特にSNSや動画配信サービスの普及により、海外ブランドや商品情報に触れる機会が増え、海外商品への関心が高まっています。

また、国際物流の発展も市場拡大を支える重要な要因です。近年は国際配送サービスが充実し、以前よりも短期間で海外から商品を受け取ることが可能になりました。例えば、日本からアジア諸国への配送であれば数日程度で商品が到着するケースも多くなっています。

さらに、越境EC支援サービスの充実も市場拡大に寄与しています。海外向けの決済サービスや物流代行サービスを利用することで、中小企業でも比較的容易に海外販売を開始できる環境が整っています。こうした環境の整備により、企業にとって越境ECは現実的な海外進出手段となり、市場規模の拡大を後押ししています。

2-2. 国別越境EC市場規模の比較

越境EC市場の規模を国別に比較すると、中国が最大の市場規模を持ち、次いで米国、日本の順となっています。経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書」を参考に具体的な数値を見ていきましょう。

まず、日本の越境EC市場規模は、米国および中国向けを合わせて4,208億円と推計されています。このうち米国向けが3,768億円、中国向けが440億円となっており、日本企業にとって米国が最大の販売先となっています。これは、日本製の化粧品やアニメ関連商品、健康食品などが米国市場で高い人気を得ていることが背景にあります。

次に、米国の越境EC市場規模は、日本および中国向けを合わせて2兆5,300億円となっており、日本の約6倍の規模となっています。このうち日本向けが1兆4,798億円、中国向けが1兆502億円となっており、米国企業が海外市場へ積極的に販売を行っていることがわかります。米国は世界最大級のEC市場を持つと同時に、越境販売においても大きな影響力を持っています。

そして、中国の越境EC市場はさらに巨大であり、日本および米国向けを合わせて5兆3,911億円という圧倒的な規模を誇ります。このうち日本向けが2兆4,301億円、米国向けが2兆9,610億円となっており、中国の消費者が海外商品を積極的に購入していることがわかります。特に日本製の化粧品や日用品は中国市場で非常に高い人気を持ち、多くの日本企業が越境ECを通じて中国市場へ参入しています。

このように、中国は世界最大の越境EC市場であり、米国も巨大な市場を形成しています。一方、日本は市場規模こそ小さいものの、日本製品のブランド力を背景に安定した需要が存在しています。

2-3. 越境EC市場の将来展望

越境EC市場は今後も継続的な成長が見込まれています。その背景には、世界的なインターネット利用者の増加と、EC利用のさらなる普及があります。特に新興国ではEC利用者が急増しており、越境ECを通じて海外商品を購入する消費者が増加しています。

また、物流インフラのさらなる発展により、配送時間の短縮や配送コストの低下が進むと予測されています。これにより、消費者にとって海外商品を購入するハードルはさらに低くなると考えられます。

さらに、日本企業にとっても越境ECは重要な成長機会となります。国内市場が成熟する中、海外市場への販売は売上拡大の有効な手段となります。例えば、日本の中小企業が越境ECを活用して海外市場で成功し、売上の大部分を海外販売が占めるようになった事例もあります。

今後は、ECプラットフォームの進化やAIを活用したマーケティングの発展により、越境ECはさらに利用しやすくなると予測されています。越境ECは、企業の海外展開を支える重要な販売チャネルとして、今後ますますその重要性を高めていくでしょう。

3. 越境EC成功のための戦略

越境ECで成功するためには、単に商品を海外向けに販売するだけでなく、市場特性に応じた戦略的な運用が不可欠です。国内ECと異なり、越境ECでは言語、文化、物流、法規制など複数の要素が売上に大きく影響するため、総合的な視点での事業設計が求められます。

例えば、日本では評価の高い商品であっても、海外市場では認知度が低く、適切なマーケティングを行わなければ売上につながらないケースもあります。また、配送の遅延や顧客対応の不備は、レビュー評価の低下やブランド価値の毀損につながるおそれがあります。

そのため、越境ECでは「マーケティング」「物流」「顧客対応」の3つを中心に体制を整備することが重要です。これらを適切に構築することで、海外市場での信頼を獲得し、継続的な売上拡大につなげることが可能になります。

3-1. マーケティング戦略と広告戦略

越境ECにおいては、現地市場に適したマーケティング戦略を構築することが成功の鍵となります。海外市場では自社ブランドの認知度が低い場合が多いため、まずは商品の認知を拡大するための施策が必要です。

例えば、SNSを活用した広告は非常に有効な手段です。InstagramやTikTokなどのSNSでは、インフルエンサーを活用したプロモーションにより、短期間で多くのユーザーへ商品を訴求することが可能です。特に化粧品やファッション商品では、現地のインフルエンサーによる紹介が売上に大きく影響することがあります。
また、ECモールを利用する場合には、モール内広告の活用も重要です。AmazonやeBayでは検索結果の上位に表示されることで購入率が大きく向上するため、広告運用は売上拡大に直結します。
さらに、商品説明ページの最適化も欠かせません。単に翻訳するだけでなく、現地の消費者が重視するポイントを明確に記載することで、購入率の向上が期待できます。適切なマーケティング戦略を実施することで、越境ECの成功確率を高めることが可能になります。

3-2. 物流と配送の重要性

越境ECにおいて、物流と配送は顧客満足度を左右する重要な要素です。配送の遅延や商品の破損は、顧客からの評価低下や返品増加の原因となり、事業の継続に影響を与える可能性があります。
例えば、配送に2週間以上かかる場合、顧客が不安を感じて問い合わせが増加するケースがあります。適切な追跡サービスを提供し、配送状況を確認できるようにすることで、顧客の不安を軽減することができます。

また、配送コストの設定も重要です。送料が高すぎる場合、購入を断念される可能性があります。そのため、一定金額以上の購入で送料無料とするなどの工夫が有効です。
さらに、海外倉庫を活用する方法もあります。現地に在庫を保管することで配送期間を短縮でき、顧客満足度の向上につながります。適切な物流体制を整備することは、越境ECの競争力を高める重要な要素となります。

3-3. 顧客対応とサポートの重要性

越境ECでは、顧客対応の質がブランド評価に大きな影響を与えます。海外の顧客はレビューを重視する傾向が強く、対応の良し悪しが売上に直結することがあります。

例えば、商品の不具合に対して迅速かつ誠実に対応した場合、顧客が高評価のレビューを投稿し、新たな顧客獲得につながることがあります。一方で、問い合わせへの返信が遅れたり、不十分な対応を行った場合、低評価レビューが増加し、販売機会の損失につながるおそれがあります。

また、言語対応も重要です。英語などの主要言語で適切に対応できる体制を整えることで、顧客の信頼を得やすくなります。

さらに、返品や返金に関するルールを明確にしておくことも必要です。トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整備することで、顧客満足度の向上につながります。適切な顧客対応は、越境ECにおける長期的な成功の基盤となります。

4. 越境ECの成功事例と失敗事例

越境ECでは、市場の成長に伴い多くの企業が参入していますが、成功する企業と失敗する企業には明確な違いがあります。例えば、シンガポール向けにライブコマースを活用した日本企業が現地パートナーと連携し、短期間で累計1,000万円以上の売上を達成するなど成功を収めているケースもあります。 一方で、物流体制や市場理解が不十分なまま参入した企業は、配送遅延や顧客対応の不備により、顧客満足度の低下や売上減少を招くケースもあります。

越境ECは大きなビジネスチャンスである一方、物流、マーケティング、顧客対応など複数の要素を適切に管理することが成功の前提となります。成功事例と失敗事例の両方を理解することで、リスクを回避し、安定した海外展開を実現することが可能になります。

4-1. 成功事例から学ぶポイント

越境ECの成功事例としては、アニメ関連グッズや抹茶などの日本食品を海外向けに販売し、売上を大きく伸ばしたケースが挙げられます。例えば、抹茶を扱う日本企業が越境EC販売を行った際、単に商品を掲載するだけでなく、「京都産の茶葉を使用していること」「伝統的な製法で製造されていること」など、商品の由来や品質ストーリーを丁寧に英語で紹介することで差別化や付加価値を与えることができます。
その結果、価格競争に巻き込まれることなく、高単価の商品でも継続的な販売につなげることができます。

また、成功企業に共通するポイントとして、「物流体験の最適化」が挙げられます。近年の調査では、多くの海外消費者が越境ECを利用しており、その際の満足度は配送の選択肢や返品のしやすさ、到着予定日の正確さに大きく左右されることが分かっています。例えば、関税込み価格を事前に明示し、配送状況をリアルタイムで確認できる仕組みを導入した企業では、顧客からの信頼が高まり、リピート購入につながっています。

越境ECでは、商品そのものだけでなく、配送の利便性や安心感も含めてブランド体験と評価されます。そのため、現地ニーズを踏まえた商品ページの工夫とともに、信頼できる物流体制を整備することが、海外市場で成功するための重要な要素となります。

4-2.失敗事例の分析と教訓

越境ECの失敗事例として多く見られるのが、物流設計を十分に行わずに販売を開始してしまい、結果としてコスト増加や顧客満足度の低下を招くケースです。例えば、ある日本企業が海外向けに食品を販売した際、すべての商品を日本から個別発送する方式を採用したところ、配送日数が2週間以上かかる場合があり、「到着が遅い」「関税の支払い方法が分かりにくい」といったクレームが増加しました。さらに、関税や国際送料、保管費用などを個別に管理している場合には、実際の「総物流コスト/件」が想定以上に高くなり、利益が確保できない状況に陥ることも考えられます。

また、商品情報の不足もトラブルの原因となります。例えば、電化製品で使用電圧の違いを明記しなければ返品につながりますし、食品で賞味期限や成分表示が不十分なせいで通関が遅れるケースもあります。こうした問題を防ぐためには、ヒット商品は海外倉庫に前進配備し、それ以外の商品は日本から発送する「ハイブリッド型の在庫戦略」を採用することが有効です。さらに、商品ページやFAQに関税込みかどうか、返品送料の負担先などを明記し、問い合わせを減らす工夫も重要です。

越境ECでは、為替や関税を含めたコストと物流体験を事前に設計することが、失敗を防ぐための重要なポイントとなります。

5. 弁護士が解説!越境EC参入の際の法的注意点

越境ECは大きなビジネス機会を提供する一方で、国内取引とは異なる法的リスクが存在します。特に注意すべきトラブルとして、「不正カード利用」「損害賠償請求」「商品の破損・不着」「現地法令違反」が挙げられます。

まず、不正カード利用は越境ECにおいて頻発する問題の一つです。海外取引ではクレジットカードの不正使用が発生しやすく、商品発送後に不正利用が発覚した場合、販売代金を回収できないだけでなく、チャージバック(支払取消)により販売事業者が損失を負担する可能性があります。特に高額商品を扱う場合には、不正検知サービスの導入などの対策が重要となります。

また、商品の破損や不着も法的紛争の原因となります。配送中の事故により商品が届かない場合、購入者から返金請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。この場合、配送業者との契約内容や責任範囲が重要な判断要素となります。

さらに、現地の法律違反も重大なリスクです。例えば、現地の輸入規制に違反した場合、商品の没収や罰金などの行政処分を受ける可能性があります。また、消費者保護法に違反した場合、損害賠償請求を受けるリスクもあります。

このように、越境ECでは国内取引にはない法的リスクが存在するため、事前に各国の法制度を理解し、適切な契約条件や運用体制を整備することが不可欠です。

5-1.関連する法律の特徴と注意点

越境ECにおけるトラブルを適切に管理するためには、国際取引に適用される法律の基本的な仕組みを理解することが重要です。特に重要となるのが、「準拠法」と「管轄裁判所」の問題です。

準拠法とは、紛争が発生した場合にどの国の法律を適用するかを定めるものです。一方、管轄裁判所とは、どの国の裁判所で紛争を解決するかを決定するものです。これらは契約によって事前に定めることが可能であり、越境ECでは利用規約に明記しておくことが一般的です。

例えば、日本企業が海外消費者に商品を販売した場合、契約で日本法を準拠法とし、日本の裁判所を管轄と定めておくことで、日本で紛争解決を行うことが可能になります。ただし、消費者保護の観点から、必ずしも事業者の指定が優先されるとは限らない場合もあります。

また、資金決済法にも注意が必要です。越境ECではクレジットカードや電子決済を利用することが多いため、決済代行業者の選定や決済方法の管理が重要となります。適切な決済管理を行わなければ、不正利用や返金トラブルにつながる可能性があります。

さらに、中国市場で販売を行う場合には、中国の電子商取引法(EC法)への対応も必要となります。この法律では、ECプラットフォーム運営者および出店者に対して厳格な義務が課されています。

ECプラットフォーム運営者には、出店者情報の確認義務や消費者保護義務が課されています。また、ECプラットフォーム出店者に対しても、事業者情報の開示義務や商品の品質保証義務などが定められています。これらの義務に違反した場合、罰金などの行政処分を受ける可能性があります。

このように、越境ECでは複数の国の法律が関係するため、契約条件の整備や現地法令の確認が極めて重要となります。特に、利用規約の整備、責任範囲の明確化、決済および物流体制の適正化などを行うことで、法的リスクを大幅に軽減することが可能になります。

越境ECを安全に運営するためには、国際取引に精通した弁護士などの専門家の支援を受けながら、法的リスクを適切に管理することが重要です。

6. 越境EC事業に関するお悩みは専門家にご相談ください

越境ECは、国内にいながら世界中の消費者へ商品を販売できる有効なビジネスモデルであり、市場規模の拡大に伴い多くの企業にとって重要な成長機会となっています。本記事や関連セミナーなどでも解説されているように、特に、日本製品は品質や安全性の面で高い評価を受けており、適切な戦略を取ることで海外市場での売上拡大が期待できます。一方で、越境ECでは各国の法規制や輸入規制、関税制度、決済トラブル、不正利用への対応など、国内取引にはない法的・実務的な課題も数多く存在します。

実際に、「どの国の法律が適用されるのか分からない」「利用規約の整備方法に不安がある」「返品や損害賠償リスクにどう備えるべきか判断できない」といったご相談は少なくありません。こうしたリスクを適切に管理し、安全に越境EC事業を進めるためには、国際取引や各国規制に精通した専門家の支援を受けることが重要です。越境ECへの参入をご検討の際や運用に不安がある場合は、ぜひ越境ECを専門とする企業弁護士へご相談ください。

WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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代表弁護士 小野智博(東京弁護士会所属)
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